2014年1月1日水曜日

お正月:経済展望2014(あくまでも予想ですが)


円安になったものの、どうにも貿易輸出が伸びない。
貿易赤字は構造的なものなので、これからも続くと思われる。
したがって、今年前半に円高(95~100円/ドル)になる調整局面はあるものの、金融財政政策もあいまって、今後は長期的(3~5年)には、円安(120円~135円)に向かうと思う。

但し、Chinaのバブル崩壊が起きれば、一旦大幅な円高になるので、その準備は整えておいたほうが良い。
Chinaのバブル崩壊では、世界同時に株安にもなる。
その修復には、1年ほど要するが、2年以上はかからないであろう。


その、Chinaバブル崩壊は2010年代に必ず起こる。




 「JAPAN is BACK」??   

アベノミクス第三の矢では「JAPAN is BACK」と謳っているが、アホかと。
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html

過去に戻ったって何もないぞ!

以前の夢は再現できない。
なぜなら、もう途上国ではないから高度成長はもう来ない。中学生でもわかる。
ルイスの転換点をとっくに超えた日本は、成熟国のモデルを新しく探す必要がある。



ではどういう成長戦略であるべきか


 現状分析しよう。  

日本の地盤沈下は、製造業がぱっとしないということだろう。とくに家電。
GoogleTrendで「Panasonic」とか「SONY」とか「SHARP」で検索すると

キレイに右肩下がり。
ちなみに「S●msung」。対照的だ。



これは、1つに、
技術のコモディティ化(ありふれたものになる)と、
技術(技術者)の流出が原因。

もうひとつは、
世界マーケット(消費者)のボリュームゾーンが、人口動態の変化に伴い、上中流から、下流(新興国とか、フロンティア国、アフリカとか)に移ってきたということ。そこで求められているのは、「そこそこの品質を、そこそこ以下の価格で」だ。
したがって、我が日本が得意とする、精緻な技術は「過剰スペック」になり、その市場は年々小さくなっている。



●●社のように、
・ヘッドハントした技術を使い(研究開発費が少なくて)、
・新興国で製造し(人件費が少なくて)、
・そこそこの品質・機能で(原価が安い)、
・ボリューム市場をとる(量産効果がある)企業と、

日本の電機メーカーが競争して勝てるわけがない。どんなに優秀でも。



ではどうするか。
低価格ブランドを作るのもひとつだろうが、
王道は、



 変わるものと変わらないもの。  

  1. 変わらないもの。「技術立国」

    「変態的に凝り性の日本の技術者」はこれからも、日本が世界で果たすべき役割。
    技術集約、知識集約。

    これは不変。
  2. 変わるもの。「製造品目」

    「高付加価値でも「過剰スペック」にならない分野。新興国で生産できない品目」

    ここが変わる。



 重点分野(具体案)  

では、
具体的に「高付加価値でも「過剰スペック」にならない分野。新興国で生産できない品目」とは何でしょうか?


  (1) ゲーム機器産業
    
    過剰スペックなぐらいじゃないと、エンタテインメントにならないから。
    

  (2) バイオ、創薬
  
    これも、過剰スペックなぐらいじゃないと、勝負にならない(新規性がない)から適している。


  (3) 軍需産業

    もちろん、これもスペック競争。
    戦後教育的にはタブーなのだろう。
    だが、軍事費ほど国内経済へのプラス波及があるものはない。
    
    軍事バランスこそが平和に寄与するという考えにたてば、平和国家のありかたとしても間違ってはいない。ファインな技術力が最も活かせるのは、これまでの歴史を見れば、軍需産業だというのは、冷徹だが事実である。
    
    軍事技術を持つ国としての優位性を持つことで、軍国主義に走らなくても、世界で独立した安全保障を持てる可能性がある。(武力ではなく、技術による安全保障 ※これを「技術安全保障」と呼びたい )
    
    安倍内閣は公にしないだけで(マスコミが騒ぐから)、実はこれを考えていると思う。すなわち、最大の規制緩和は、武器輸出三原則の廃止。まあこれは、賛否両論あろうが、時間の問題だろう。



  (4) ロボット産業
  
    10%優秀なロボットは、2倍以上の価値をもつ。
    ロボット製造技術は、新興国が追随できるのにはあと30年はかかる。
    サービス業へのロボット活用も、日本の独壇場になると思う。
    
    製造ロボットを輸出する。
    あるいは、低コストの「労働力」として使う。(外国人単純労働者はそれほど多く要らなくなる)
    
    ※世界の産業用ロボットの6割は、日本の工場にあるという。
    http://karafro.com/indrobo/inrobot.html
    


  (5) 資源エネルギー輸出大国へ
    
    今世紀から22世紀にかけては、資源が鍵になるが。それも技術の範疇になる。

    (Chinaや新興国は、人口が増えて、むしろ資源輸入国になってしまい力を失うだろう。その点、少子高齢化社会の日本は、有利になる。)
    
    ■海洋資源開発1:
    海洋からのレアメタル収集技術を進めることで、
    資源輸出国になれる。
    
    ■海洋資源開発2:
    メタンハイドレート。当たり前のように開発してほしい。
    
    ■原子力の技術開発:
    否が応にも、広島、長崎、それと福島・・・世界で日本だけが、原子力と向き合ってきた国である。平和利用である発電技術に関しては、逆に、世界一のポジションを築きうると言える。
    
    ■太陽光の技術:
    ■惑星資源開発:
    
   エネルギーや資源に乏しかった日本だったからこそ、それをうまく活かし、輸出できるようになれる。(現産油国の没落は2030年ごろから本格化するだろう)




※これらが奏功すれば、自ずと技術の流出は止まる。むしろ世界の技術を、日本が吸収し集約するようになる。但し、スパイ防止法(民間においても、背任罪の適用と重罰化)などの最低限の法整備は不可欠。

※サービス分野(おもてなし)、観光立国、医療、アニメ産業なども大好きだけれど、産業規模、産業波及からみたインパクトは小さいよね。




 21世紀から22世紀にかけて 



20世紀型の「人口市場社会」は、あと10~20年で終わるだろう
(アフリカ、中東の中進国化で世界網羅が完了してしまうから)。

そこから先は、21世紀型の「高付加価値社会」が、新しい文明の目指す地平になる。日本は、今は、産みの苦しみだが、世界で最も早く「高付加価値社会」へのトライを行なっている先頭走者。

少子高齢化は、21世紀型の「高付加価値社会」への転換を図る上では、むしろチャンスといえる。

そこでは「一人あたり」GDP(別にGNPでもGNIでもよい)が大切になってくる。
いま、そのランキングの上位は
http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpdpc.html
ルクセンブルクなどの金融国家、あるいは産油国(資源輸出国)、あるいは小国だが、そこにどう食いこむかを国家および各自の目標にしたらいいだろう。




 さらに具体的な政策提案をすると  


  1. 技術者のすそ野を保つために、理系教育を強化する。

    高校からの、理系コース、エリート選抜(5%)制度・飛び級・奨学給付を広げる。
    国立大学のエリート選抜(5%)カリキュラム。
    畢竟、文理問わず、我が国は教育立国。
  2. 大学研究室(理系)への、科研費助成を5年で2倍にする。
    国立の科学研究施設への予算を10年で5倍にする。
    ※軍事産業(武器輸出三原則の解除)がNGであるなら、これぐらいやらないと意味が無い。


  3. 高付加価値でも「過剰スペック」にならない分野。新興国で生産できない品目に、産業構造をシフトする。(前項で述べたとおり)

    そのため、ベンチャー投資機構を国が作り、アホな日本の銀行なんかすっとばして、「活動実体と技術資産」に応じて資金を供給する。シリコンバレーのいわゆる「エンジェル」のように。そうすれば自ずと、世界の頭脳が日本に集まってくる。





「JAPAN is BACK」とかいう過去の栄光ではなくて、前向きに変化したい。
「JAPAN gets FUTURE」私自身もそうでありたいものです。

かしこ

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